代数基礎

代数基礎

BR1-11:最大公約数はイデアルでも 互いに素なイデアル

互いに素なイデアル 2つの整数の最大公約数が1のとき,互いに素であると呼びました.倍数全体が整数環のイデアルより,この性質をより一般の環のイデアルに拡張できる.今回は,イデアルの互いに素を取り上げイデアルの積と共通部分の一致をみる.その利用として,環における中国剰余定理も示す.
代数基礎

BR1-10:乗法が不完全だから起こること 零因子・整域・体

零因子・整域・体 環の乗法はイデアルを部分加群と見た時の作用と同じである.ここから,作用と同様に零因子を定義できる.環の場合は同じ集合同士の演算のため,環本体により強い制約を付けることができる.今回は,加群の概念から拡張する形で環の零因子を定義し特別な環である整域と体の議論をいくつか挙げる.
代数基礎

BR1-9:合同式の一般化と全射準同型のイデアル対応 剰余環

剰余環 整数の余りに着目してあまり計算を簡略化していた合同式はそのまま環論に拡張できる。割る数がイデアルに対応し余りが商集合の元として現れる。合同式で和と積が可能であるようにこの商集合が再び環となり剰余環は呼ばれる。今回は、その構成とともにイデアル対応・極小素イデアルの表記について触れる。
代数基礎

BR1-8:環どうしの演算比較 環準同型写像とその像と核

環準同型写像とその像と核 環同士を結ぶ写像にて像集合を値域の部分環とする写像が環準同型写像である。しかし、他の代数系と異なりその像(像集合)と核は部分環・イデアルと別の種類の部分集合として現れる。今回は、環準同型写像を定義と基本的な単射・全射・同型に触れる。
代数基礎

BR1-7:部分構造だけど拡大全体が大事 部分環と拡大環

部分環と拡大環 環の特別な部分集合としてイデアルがあったが、これは環にはならない。環構造を保つ部分集合として部分環が存在し、元の環を合わせて拡大と呼ばれる。部分環側が定義だが、含む側である拡大環にも視点が行く。今回はイデアルとの差を考えるとともに単位的な環だからこそ起こる差を見ていく。
代数基礎

BR1-6:平方根らしきイデアルと極小性 根基イデアル

根基イデアル 可換環の場合は、乗法の順序を無視できるので数と同様に元のべきを考えることができる。このべきによってイデアルの元となる集合は基本的に元のイデアルより大きな集合でかつイデアルとなる。そしてこの集合は、固定したイデアルを含む素イデアルの共通部分で表現できる。
代数基礎

BR1-5’:いたるところで利用する minimal prime ideal

minimal prime ideal 極大の逆である極小性は、環の不変量や特定の元を取り除く手法を利用する際に重宝される。一般に共通部分や和集合は素イデアルではないが、包含関係が全順序の場合は素イデアルとなる。これを利用し極小素イデアルの存在を確認する。
代数基礎

BR1-5:イデアルの極大元 極大イデアル

極大イデアル 真のイデアルは全体集合が包含関係で整列集合となる。ここから、イデアルの極大元が存在する。このイデアルは特徴的な素イデアルで特殊化したい場合はよく利用される。今回は、Zornの補題から存在を示し極大イデアルならではの性質と議論を挙げていく。
代数基礎

BR1-4:環論の中心的存在 素イデアル

素イデアル 素数といえば、1と自分自身以外で割り切れない数でした。正の整数では、これによって有限個の素数の積で表示(素因数分解の一意性)ができます。これを集合であるイデアルへ拡張したものが素朴な素イデアルの特徴づけである。今回は単項イデアルから拡張して一般の場合を定義する。
代数基礎

BR1-3:イデアルの骨組み 生成されたイデアル

生成されたイデアル nの倍数全体からなるイデアル(n)は、必ずnを約数として持っている。これは、すべての元がnの何倍かによって作られていると言える。ここから、(n)はnによって生成されていると考えられる。一つの元だけではなく沢山の元や部分集合によって生成される場合も同様に考えられる。
PAGE TOP