代数基礎BR1-10’:整域にならない可換環の構成例 環の直積 環の直積 直積集合には,加法やスカラー倍などを成分ごとの演算で定義されます.同様に乗法を定義することで,環の直積を構成できる.この直積は非整域であることや,分解表示の方法などいくつかの有用な性質を持つ.今回は,環の直積を定義するとともにいくつかの性質を取り上げます. 2025.07.31代数基礎
代数基礎BR2-0:簡単なはずなのに扱いが難しい具体例 多項式環 多項式環 方程式を解くことや式の整理に隠れがちである多項式,これは係数を環の元としても,よく知られる変形や発送が通用する.逆に,多項式を定義した際に何となくで使った用語たちが環論にて説明できる.そして連立方程式での技法「代入操作」も環論的に意味を持つ. 2025.06.22代数基礎
代数基礎BR1-13:嫌な元の集まりだけどいい性質も Jacobson根基 Jacobson根基 すべての素イデアルによる共通部分としてべき零根基が得られる.これを極大イデアルに置き換えたものがJacobson根基であり,極大イデアルと似た性質を持つ元の集まりとして特徴づけられる.今回は,元の特徴づけを行い有限個の極大イデアルを持つ環に適用できる性質を示す. 2025.05.12代数基礎
代数基礎BR1-12:有限性の強力さが出る場面 prime avoidance prime avoidance イデアルの包含関係では有限性の下で成り立つものがある.素イデアル避けはその一つであり,主張は素イデアルの性質だけで理解できる.しかし,必要になったときに思い出せないことが頻発する.今回は少し先のNoether環の場合を例に挙げ素イデアル避けの利用先を一つ明確にする. 2025.04.26代数基礎
代数基礎BR1-11:最大公約数はイデアルでも 互いに素なイデアル 互いに素なイデアル 2つの整数の最大公約数が1のとき,互いに素であると呼びました.倍数全体が整数環のイデアルより,この性質をより一般の環のイデアルに拡張できる.今回は,イデアルの互いに素を取り上げイデアルの積と共通部分の一致をみる.その利用として,環における中国剰余定理も示す. 2025.02.07代数基礎
代数基礎BR1-10:乗法が不完全だから起こること 零因子・整域・体 零因子・整域・体 環の乗法はイデアルを部分加群と見た時の作用と同じである.ここから,作用と同様に零因子を定義できる.環の場合は同じ集合同士の演算のため,環本体により強い制約を付けることができる.今回は,加群の概念から拡張する形で環の零因子を定義し特別な環である整域と体の議論をいくつか挙げる. 2025.02.01代数基礎
代数基礎BR1-9:合同式の一般化と全射準同型のイデアル対応 剰余環 剰余環 整数の余りに着目してあまり計算を簡略化していた合同式はそのまま環論に拡張できる。割る数がイデアルに対応し余りが商集合の元として現れる。合同式で和と積が可能であるようにこの商集合が再び環となり剰余環は呼ばれる。今回は、その構成とともにイデアル対応・極小素イデアルの表記について触れる。 2024.10.30代数基礎
代数基礎BR1-8:環どうしの演算比較 環準同型写像とその像と核 環準同型写像とその像と核 環同士を結ぶ写像にて像集合を値域の部分環とする写像が環準同型写像である。しかし、他の代数系と異なりその像(像集合)と核は部分環・イデアルと別の種類の部分集合として現れる。今回は、環準同型写像を定義と基本的な単射・全射・同型に触れる。 2024.10.29代数基礎
代数基礎BR1-7:部分構造だけど拡大全体が大事 部分環と拡大環 部分環と拡大環 環の特別な部分集合としてイデアルがあったが、これは環にはならない。環構造を保つ部分集合として部分環が存在し、元の環を合わせて拡大と呼ばれる。部分環側が定義だが、含む側である拡大環にも視点が行く。今回はイデアルとの差を考えるとともに単位的な環だからこそ起こる差を見ていく。 2024.10.25代数基礎
代数基礎BR1-6:平方根らしきイデアルと極小性 根基イデアル 根基イデアル 可換環の場合は、乗法の順序を無視できるので数と同様に元のべきを考えることができる。このべきによってイデアルの元となる集合は基本的に元のイデアルより大きな集合でかつイデアルとなる。そしてこの集合は、固定したイデアルを含む素イデアルの共通部分で表現できる。 2024.07.14代数基礎