こんにちは!ケンけんです。今回は、自分用のTex数式コマンドを整理する目的で記事を書いていきます。
ブログで使っているLaTeXプラグイン
始めに使っているLaTeXのプラグインについて軽く説明をします。主に以下の2つを使用しています。
- MathJax-LaTeX
- Simple MathJax
本来は、「MathJax-LaTeX」だけでよいはずなのですが改行せず文章中に数式を書くことができず、試行錯誤の末に「Simple MathJax」を導入することで解消することができました。
導入方法と使い方
導入方法はどちらも同じです。
- 「Wordpress」の管理者画面のメニューから「プラグイン」のページへ移動します。
- 「プラグイン」のページの最上段に「新規追加」ボタンからページへ行き「プラグインの検索」に名前を入力して探します。
- 見つけたらインストールします。
- インストールが終わったら再び「プラグイン」のページへ移動して追加したものを有効化します。(初期状態では有効化されていない場合があるので確認しましょう。)
これで使えるようになりました。次に使い方です。
「MathJax-LaTeX」の場合
①本文の初めに[[mathjax]]と記入します。
初めに、LaTexコマンドを使う宣言のようなものとして記事の本文の頭に[[mathjax]]と記入します。
この記事の編集画面の頭部分でもこのように記入しています。
②LaTeXで数式を記入する。
①によりその記事内では、LaTeXにより数式を記述できるようになっています。
数式記述のルールは「\$\$」で記述したい数式コマンドやLaTexコマンド部分を囲むことで改行した状態で式が出力されます。
例えば「三角関数について\$\$(\sin{x})^2+(\cos{x})^2=1\$\$が成り立つ」と記入すると次の緑色の部分が出力されます。(「\」は半角のバックスラッシュ「\」を入力しています。)
三角関数について$$(\sin{x})^2+(\cos{x})^2=1$$が成り立つ
ただし、これだけでは文章中に数式を含めた表記ができませんでした。また一部のLaTeXpackageが使用できませんでした。もしかしたら、私の勉強不足、調査不足かもしれません。そこでもう一つのプラグインを出てきます。
Simple MathJaxの使い方
こちらは、「Mathjax-LaTeX」のようなコマンド[mathjax]を必要とせず自動でコマンドを数式に変換してくれます。
改行する数式の表記は「MathJax-LaTeX」と同様に「\$$」で囲むことで可能です。
では改行しない表記はどうするかというと「\$」で数式コマンドやLaTexコマンドを囲むだけです。簡単ですね。
先ほどの例で「三角関数について\$(\sin{x})^2+(\cos{x})^2=1\$が成り立つ」と記述すると次の緑色の部分が出力されます。
三角関数について$(\sin{x})^2+(\cos{x})^2=1$が成り立つ
他にも一部のLaTeXpackageが追加で使用できるようになります。
これを見ると「Simple Mathjax」だけでいいのではと思われるかもしれませんが、このプラグインは更新がかなり前でいつ不具合が起こるかわからないため、2つのプラグインを併用しているわけです。
また、「Simple Mathjax」は後から追加したので「Mathjax-LaTeX」には含まれているLaTeXpackageで使えないものもあるかもしれないので競合していないなら併用した方がいいと私は考えます。
表記上の注意?
ところでいくつか使う上で忘れがちなことがいくつかあります。
- 改行するためには「\\\」を改行したい列の前に記述する。
- 「$」で囲った部分は文字の書体も変化する。
- 数学の記号や関数を使用する場合はまず「\」を必ずつける。
- 見出しや見出しボックス内で\\begin{}を使う場合は改行してはいけない。
2つ目の点は、差が以下のようになります。
入力 | 出力 |
\$xを入力するとyが得られる\$ | $xを入力するとyが得られる$ |
\$x\$を入力すると\$y\$が得られる | $x$を入力すると$y$が得られる |
よく見ると文全体を「\$」で囲った場合は明朝体になっていることがわかります。私は本文では数式や記号だけ囲み、定義、命題の枠内の文章は「\$」で囲むなどのメリハリをつけています。
3つ目の点は、結構やりがちなミスでLaTeXでbegin{}を使うときのように改行してしまうと、見出しボックス内では\end{}との接続が切れてしまうのか認識されずコマンドがそのまま表示されてしまいます。本文では改行しても問題ないのでなおさら間違えやすいです。行列を例に書いてみます。
改行しない場合
を出力すると,
このように行列が出力されます。(きれいですね)
改行した場合
これを出力すると、
このようになってしまいます。
プログラミング素人ながら原因を考えてみたのですが、どうも見出しブロックや枠の中では\begin{}などは一列で書かないとbegin・end環境が認識されないのではないかと思われます。なので、基本的にブログでLaTeXを使用する際は改行せずに一気に書いてしまうことをお勧めします。
コマンド(代数学)
さてこの記事では残りすべて代数系で用いる記号のコマンドを表記していきます。
記号 | 入力コマンド | 出力 |
乗法 | 「記入しない」 または \$x\times y\$ | $xy$ または $x\times y$ |
除法 | \$x \div y\$ | $x \div y$ |
直和 | \$x \oplus y\$ | $x \oplus y$ |
テンソル積 | \$x \otimes y\$ | $x \otimes y$ |
プラスマイナス | \$x \pm y\$ | $x \pm y$ |
総和 | \$\\sum_{i=0}^{n}a_{i}x^i \$ | $\sum_{i=0}^{n}a_{i}x^i $ |
半直積 | \$H \ltimes K\$(\$H \rtimes K\$) | $H \ltimes K$($H \rtimes K$) |
ベクトル (2次元) | \$\left(\\begin{array}{c} x \\\ y \\end{array}\right) \$ | $\left(\begin{array}{c} x \\ y \end{array} \right)$ |
ベクトル (n次元) | \$\left(\\begin{array}{c} x_{1} \\\ x_{2} \\\ \\vdots \\\ x_{n} \\end{array}\right) \$ | $\left(\begin{array}{c} x_{1} \\ x_{2} \\ \vdots \\ x_{n} \end{array}\right) $ |
$m\times n$行列 (array版) | \$\\left(\begin{array}{cccc} x_{11} &x_{12} &\ldots &x_{1n}\\\ x_{21} &x_{22} & \ldots & \vdots \\\ \vdots & & \ddots &\vdots\\\ x_{m1} &\ldots &\ldots &x_{mn} \\end{array}\right) \$ | $\left(\begin{array}{cccc} x_{11} &x_{12} &\ldots &x_{1n}\\ x_{21} &x_{22} & \ldots & \vdots \\ \vdots & & \ddots &\vdots\\ x_{m1} &\ldots &\ldots &x_{mn} \end{array}\right) $ |
$m\times n$行列 (pmatrix版) | \$\\begin{pmatrix} x_{11} &x_{12} &\ldots &x_{1n}\\\ x_{21} &x_{22} & \ldots & \vdots \\\ \vdots & & \ddots &\vdots\\\ x_{m1} &\ldots &\ldots &x_{mn} \\end{pmatrix}\\$ | $\begin{pmatrix} x_{11} &x_{12} &\ldots &x_{1n}\\ x_{21} &x_{22} & \ldots & \vdots \\ \vdots & & \ddots &\vdots\\ x_{m1} &\ldots &\ldots &x_{mn} \end{pmatrix}$ |
$a$は$b$の約数 | \$a \mid b \$ | $a \mid b $ |
まとめ
このコマンドの表は自分が必要になったら逐次更新していこうと思っています。「wordpressでLatexを使いたい。」、「コマンドを使ってもerrorでうまくいかない。」と悩んで調べる方の助けになればうれしいです。
以上ケンけんでした。良い数学ライフを。
(2024/3/20現在はsimple mathjaxのみ使用しています。)